闇がただひたすら続いていた。
 暗くて何も見えないはずなのに、自分の前を行く紫色のドレスを着た金髪の少女ははっきりと見えた。真っ暗な闇の中、何を目印にしているのか、少女はひたすら前へ進んでいた。僕もその後に続いている。
 と、言うのも、さきほど意識がはっきりとした時にその金髪の、人形のような少女が自分の名前をそっと呼んだのだ。
 
 
 
「付いてきてください。ムシューがお待ちですわ」
 
 
 そのご主人様が誰なのかなんて知らないが、こんな闇の中でどうしようもなく、黙って付いていくことにした。少女は軽い足取りでどんどん進んでいく。僕もひたすら闇の中を進んでいった。
 ふとぼんやりとした頭で思い出す。紅い大きな宝石を見た。気味悪いくらい美しい宝石を見た。相方が自分の名を何度も呼ぶ声を聞いた。それでも返事はしなかった。気がつけば、闇の中。ではここはどこなのだろうか。闇の広がる世界。何も感じないはずなのに暖かい。そしてなんとなく懐かしい感じがする。僕はここを知っているのだろうか。
 
 
 
 
 やがて少女の目指す方向に小さな光が点った。そこには高級な装飾の付けられた扉が重そうにたたずんでいる。少女はその重そうな扉を、白く細い指の付いた手でそっと%B

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